ペンシルマン!の話

その昔

カラオケを開発した人は

特許を取らなかったために

莫大なお金を

取り逃がしてしまったという。








以外と

そういう人ってのは近くにいたりする。




働く工場で

事務をやっているオッサン(52)



彼は昔

漫画家を目指していたという。



藤子不二雄A先生の本を読み

独学でマンガ技術を習得。

小学校では

”マンガ四天王”のひとりとして活躍し、

お楽しみ会では

四天王それぞれのキャラクターが

夢の共演を果たし大きく話題になったという。





中学に入っても

漫画家になる夢を追い続ける。



そのころ

プロレスがテレビを賑やかせていた。

友達が

公園の砂場でブレーンバスターをかけている頃

彼もまた

別の視点でプロレスに夢中になっていた。



「キャラクターが闘うマンガを描こう」



そのとき

彼は自らの手元に目をやった。

その手には

すっかり短くなった鉛筆があった。



「これだ」



すらすら鉛筆を滑らせ

描いた作品。

それこそが

「ペンシルマン」であった。






正義の味方 ペンシルマンは

現れる敵たちと闘い、仲間となり

そしてまた強大な敵に立ち向かっていく。



陽気で明るい 消しゴムマン

クールな性格 定規マン

キュートなヒロイン 赤えんぴつちゃん

そして現れた謎の男 コンパスマン…!



果たして、ペンシルマンの運命や如何に…!
























と、まあ



これをカップ麺をすすりながら

オッサンがハイテンションで話してくれたのよ。




あれ?このオッサン

普段そんなんとちゃうやん!




なんて言えません。

言う隙間も与えてくれません。









その熱意情熱はすさまじい。









オッサンは

ペンシルマンの詳細まで教えてくれた。



ペンシルマンは闘ううちに芯が丸まってくる。

すると力が出なくなってピンチ…!

そこで登場!えんぴつ削り!

ペンシルマンはえんぴつ削りの力で

見事パワーアップし敵をやっつけるのだ…!





ペンシルマンたちの本拠地は

筆箱型の戦艦

出動するときは

筆箱のなかの定位置に入って

敵を倒しにいくのだ…!




















勘のいい方はお分かりだろう。








要はアンパンマンである。



「新しいカオよ~」から

パン工場の要素が全面に出ている。



思えばそうだ。



明るい消しゴムマンはカレーパン的

クールな定規マンは食パン的ではないか…!








くそ~!



ここまで

真面目に

愛想笑いを浮かべていた俺が恥ずかしい!





こうなりゃ思い切って

このモヤモヤをぶつけてやれぃ!







「それ、アンパンマンに似てますよね?」







さあ、どうでる…?








「そやねん、もうちょい早くに発表してたらな…」















「そうですね…」





一言を置いておくことしか出来ませんでした。。